ドライアイ

ドライアイとは

ドライアイとは、何らかの原因によって涙の分泌量が低下したり涙の質が変化し、かすみ目や目の乾燥、目の疲れ、目のゴロゴロ感などを引き起こす病気です。
涙は、外部の異物から目を保護したり目の乾燥を防ぐほか、角膜に酸素や栄養素を運搬する役割を担っています。そのため、ドライアイによって涙に異常が起きると、これら働きが低下し、様々な症状を引き起こすようになります。
主な原因は、長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による瞬きの減少やコンタクトレンズの不適切使用、空気の乾燥などが挙げられます。

ドライアイの原因

涙の成分は、主に水と油によって構成されています。この水や油のどちらか一方か両方が不足したり、成分の質が変化すると、ドライアイを発症します。

水の成分が不足するタイプ

加齢などが原因で涙を生成する涙腺の働きが低下したり、何らかの病気によって涙腺が炎症を起こすと、涙の水分量が減少してドライアイとなります。特に涙の水分量が顕著に少ない場合には、全身に炎症を引き起こすシェーグレン症候群を発症している可能性があるため、血液検査を行なって状態を確認する必要があります。

油が不足するタイプ

涙の油成分は、まぶたの縁にあるマイボーム腺という器官から分泌されます。このマイボーム腺が何らかの原因によって機能低下を起こすと、油の分泌量が減少して涙が蒸発しやすくなり、ドライアイとなります。

ドライアイってどんな症状?

  • 目が重たい
  • 目が見えにくい
  • 目がしょぼしょぼする
  • 目がゴロゴロする
  • 目やにが多く出る
  • 光を眩しく感じる

など

ドライアイのセルフチェック

自身がドライアイかどうかを判断する方法として、10秒チェックというセルフチェック法があります。やり方は、10秒間瞬きせずに目を開け続けるというもので、開けていられない場合はドライアイを発症している恐れがあります。その際には、できるだけお早めに当院までご相談ください。

ドライアイの検査

シルマー検査

シルマー検査とは、試験紙を下まぶたの端に挿入し、涙の量を測定する検査法です。涙の分泌量に異常がないかを調べることができます。

角結膜生体染色検査

角結膜生体染色検査とは、角膜や結膜の傷や凹みの有無を確認する検査法です。検査ではフルオレセイン染色液を点眼して角膜や結膜を染色し、スリットランプを使用して角膜や結膜の状態を確認します。

ケラトグラフ

ケラトグラフとは、目に溜まっている涙の量や涙の質、マイボーム腺の状態など、ドライアイの診断に必要な様々な情報を収集することができる検査法です。また、診断だけでなく、治療効果を確認する際にも活用されます。

BUT検査

BUT(Break Up Time)検査とは、目を開いた状態を維持し、何秒後に涙の膜が壊れるかを測定することで涙の質を調べる検査法です。一般的に涙の膜が壊れるのが5秒以下の場合、ドライアイを発症している可能性が高いとされます。

ドライアイの対処法

目薬を使用して目の乾燥を防ぐ

目の乾燥はドライアイを引き起こす要因にもあり得ますので、小まめに目薬をさして目を乾燥から防ぐことは、ドライアイの改善や予防に繋がります。
なお、市販されている目薬には防腐剤を使用しているものとしていないものがありますが、当院では不使用のものを使用することを推奨しています。

ドライアイ専用の眼鏡を着用する

ドライアイを改善・予防するために開発された専用の眼鏡を装着すると、涙の蒸発や目の乾燥を効果的に抑制することができます。ぜひ活用しましょう。

瞬きの回数や加湿を意識する

エアコンの効いた室内で長時間デスクワークなどを行うと、目が乾燥したり瞬きの回数が減少するなどして、ドライアイを誘発します。そのような環境下で仕事や学業を行う際には、部屋を加湿したり意識的に多く瞬きをするなどして、目の乾燥を防ぐように心がけましょう。

眼科にて専門的な治療を受ける

涙点閉塞

ドライアイの治療では、まず点眼治療を行なって経過を見ます。点眼治療では十分に改善が見られなかった場合には、涙点閉塞という治療を検討します。涙点閉塞とは、涙点という涙の流出経路にプラグを挿入することで涙の流出を抑止し、涙の保持力を向上させて目の乾燥を防ぐ治療法です。

マイボーム腺機能不全治療

ドライアイの原因がマイボーム腺機能の低下である場合には、マイボーム腺機能不全治療を行います。マイボーム腺機能不全治療とは、IPL(Intense Pulsed Light)というマイボーム腺の機能改善効果のある特殊な光を照射する治療法です。

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